世界禁煙デーは、1988年にWHO(世界保健機関)が定め、毎年5月31日に世界中で行なわれる祭典です。
この記念日にWHOは、タバコ使用の危険性とタバコ産業の事業展開について広く社会に情報を送り、WHOがタバコ病の流行と闘うために何をしているか、世界中の人々が 健康と健康的に生活する権利を主張し、未来の世代を守るために何をすることができるかを知らせています。
2022年スローガン
Tobacco: Threat to our environment
(タバコの健康影響を知ろう!~若者への健康影響について~)
タバコの害
タバコが体に良くないこと、そして自分が吸っていなくても、周囲にいる人が副流煙を吸うと体に良くないことは誰でもご存知のことでしょう。
タバコは肺がんの原因になることはよく知られていますが、実はお口の中にも悪い影響をたくさん及ぼします。代表的なものは歯周病で、10年間タバコを吸うと歯周病のリスクが5〜6倍に高まることがわかっています。またそのほかにも、口の中のがんを起こす原因になることもわかっています。
タバコを吸うと、歯ぐきの血行不良、メラニン色素沈着、歯周病の進行などが原因で、歯ぐきの色がどす黒くなっていきます。
大人の喫煙により子どもに及ぶお口への影響
周囲の大人が日常的に喫煙していて、近くにいる子供が副流煙を吸ってしまうことにより、子供のお口の中に次のような影響が出るとされています。
むし歯ができやすくなる
家族にタバコを吸う人がいると、子供がむし歯にかかりやすくなることが研究で明らかになっています。2015年京都大学の研究では、家族に喫煙者がいる場合、そうでない場合に比べてむし歯になる危険性が1.46倍に高まり、喫煙者の近くにいて多くの副流煙を浴びる環境にいる場合だとそのリスクが2.14倍にもなるということが報告されています。
アメリカの研究では、タバコの副流煙によって唾液の成分、状態が変化してむし歯菌が繁殖しやすくなると発表されています。
歯ぐきが黒っぽくなる
喫煙者の歯ぐきが黒くなるだけでなく、副流煙を吸う人の歯ぐきも黒くなることがわかっています。
副流煙を日常的に頻繁に吸い込むことにより、タバコの煙に含まれる成分がメラニン色素を増やしたり、血管を収縮させることにより、周囲にいる人まで、歯ぐきが黒っぽくなることもあります。
タバコを吸う方はなるべくお子さんが煙を吸わないよう、注意して吸うか、ご自分の健康のためにも禁煙することをおすすめします。
禁煙治療
2006年4月より禁煙治療に健康保険が適用されるようになりました。
喫煙を単なる「習慣」ではなく依存症と診断し、「病気」と捉え、医療機関で禁煙治療の保険診療が実施されるようになりました。また、2016年にニコチン依存症の対象患者が拡大され、35歳未満の方に対しては、喫煙本数や喫煙年数によらず保険適用となりました。加えて、2020年度からは加熱式たばこ使用者も健康保険による禁煙治療の対象として認められています。
金沢市★妊婦のための禁煙外来治療費助成事業
金沢市では、妊婦または妊婦と同居している喫煙者に対し、治療費の助成が行われています。
詳しくは金沢市サイト